今月のトピック バックナンバー

喫煙の話

3月ですね。2016年度の最後の月です。卒業や人事異動など生活にも変化がある月です。また気候的にも少しずつ暖かくなり、桜の便りも聞こえてくる代わりに花粉症の人にはかなりつらい時期ですね。私もすでに目がかゆくなってきています。

さて今月は喫煙についてお話をしようと思います。最近ではかなり禁煙エリアが増え、分煙も徹底してきています。愛煙家の人は肩身が狭くなってきていますね。今回は喫煙の客観的な影響と煙草を全く吸わない私の考えを交えて書いてみます。

たばこ

喫煙による健康被害

たばこの煙の成分は様々なものが含まれています。煙の成分にはガスと粒子の成分に分けることができます。

ガス成分: 一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、アンモニアなど
粒子成分: ニコチン、タール

さらにタールの中は発がん性物質を多く含み、フェノール、ベンゼン、ナフタリン、金属イオンなどの多くの物質が含まれています。

上記のような物質が含まれている訳ですがそれぞれがどのような特徴があるかは専門ではないので控えておこうと思います。ただし、煙の成分は決して身体に好影響を与えるとは言い難いと思います。タールの中に含まれている『ベンゼン』は??東京豊洲の地下から検出され問題になった物質でもある訳です。身体にとって有害物質であることには間違いないようです。

健康に関する急性的な影響

循環器系
血圧上昇、心拍数増加、末梢血管収縮、循環障害(手足のしびれや冷感、肩凝り、まぶたの腫れなど)
呼吸器系
咳や痰などが出る他、呼吸器障害による息切れ
消化器系
消化不良や食欲低下、口臭、下痢や便秘
中枢神経、感覚器系
睡眠障害
その他
体重減少、運動能力の低下、肌荒れ、胎児への影響など

健康に関する慢性的な影響

身体の各部
循環器系
虚血性心疾患
呼吸器系
閉そく性肺疾患、気胸、気管支喘息
消化器系
胃、十二指腸潰瘍

このような身体にとって有害であるにもかかわらず、嗜好品として多くの人が喫煙してきたことは本当に不思議に感じます。最近になって健康被害についての報告が増えたり、公共施設でも禁煙、分煙が進んだり、また価格の高騰などを理由に煙草を止める人が増えてきてはいます。日本における喫煙者は青年人口の19.3%(2016年5月現在)です。少しずつ減少傾向にはあるようです。身体に関わる影響を考えればやはり禁煙していく方が良いのではないかと思います。

なぜたばこを吸うの?

そもそも愛煙家の人はどうしてタバコを吸うのでしょうか?どうしてやめられないのでしょうか?煙草を吸う人に聞いてみると以下のような答えが多いようです。

「自動車の運転中の暇つぶし・眠気覚まし」「仕事中など集中するため」「ストレスの解消」「リラックスをするため」「タバコをやめたら太ってしまう」

ですが、よく考えてみるとこのような理由を解消できる根拠は煙草の成分にはどこにもありません。一つ言えることはニコチンには依存性があり、やめられない人のほとんどは依存症にかかっているということです。

受動喫煙とマナーの問題

煙草は喫煙者本人の身体影響の他に受動喫煙の問題もあります。日本は先進国のうち最も喫煙対策が遅れていると言われています。特に受動喫煙に関しては私自身も特に感じています。煙草の煙は目で見えるよりも広範囲で拡がり、喫煙者の6m四方に影響があると言われています。単純に臭いが着くことが嫌だと言うだけでなく、副流煙により健康被害を受けてしまいます。夫婦間において、1日に20本吸う夫と喫煙しない夫とでは妻の肺がん発症率は、吸わない夫と比べて約2倍にもなるようです。小児においては、母親の喫煙による影響が顕著で、咳や喘息、気管支炎などの呼吸器症状の発現危険度が増すことも報告されているようです。吸わない人の健康被害を考えると徹底した対策が必要であると思います。

受動喫煙

さらに喫煙者のマナーの問題です。吸わない私が特に感じる事ですが歩きながら喫煙している人のほとんどがポイ捨てしているように感じます。 運転中に喫煙してそのまま外にポイ捨てなどと言う現場もしょっちゅう見られます。東京23区のごみ拾い団体の調査で道路のポイ捨ては45%程度が煙草の吸殻、箱、ライターになっているようです。この問題に関しては、モラル低下がひどいのであれば罰則があって良いとも思います。シンガポールなどはかなり厳しい罰則もあるようです。

煙草については喫煙者、禁煙者の言い分がそれぞれあると思います。喫煙する人は自身の責任の下、ルールに従ってマナーを守り喫煙をすればよいと思います。ただし、法的な整備は絶対に必要であり、完全な分煙、歩行喫煙やポイ捨てによるごみの問題などは個人のモラルだけでは対応できない状況だと感じます。

私としては煙草の必要性は全く感じておらず、麻薬や危険ドラッグと大差ないと考えています。なくて良いものであるのに残す理由は産業として国の収益に関わるものだからでしょうね。それであればやはりルールづくりはしなければならないと思います。

来月からは新年度になります。新たな環境や新しい人たちとのコミュニティをつくっていく事になる訳です。喫煙者の人も禁煙者の人も煙草の問題についてももう1度考えてみてはいかがですか?

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