今月のトピック バックナンバー

座りすぎへの警告

先月は大雨強風、夏日など日替わりで天候が変化し、気温差が10度以上もあった日もありました。体調を崩した方もいたのではないでしょうか?みなさんは体調を崩していませんか?
さて月が変わってゴールデンウィーク真っ只中です。いろいろな予定を立てて旅行などにも出かけている方も多いでしょうね。うらやましいですが、私は特に計画もなくお仕事をしようと思います。

1日何時間座っていますか?

今月のトピックは私が先日テレビを見ていた時に取り上げられていた内容で、とても興味を持ったので今月のトピックのテーマにしました。テーマは、「座りすぎの日本人!!」座りすぎによる健康被害です。

エコノミークラス症候群

私も昨年、旅行中の移動で飛行機に7時間乗ったその日の夜にふくらはぎの肉離れを起こしました。今まで経験したことのないことで本当に驚きましたし、1週間は歩くことも不自由でした。よく考えてみれば下腿部の血流が悪くなっていたことが要因であったわけです。そう考えると危険性は必ずあり、もっと多くの様々な健康被害があることは当然ですよね。

これを機にみなさんにも興味を持ってもらえればよいかと思います。

みなさんはご自分が1日何時間座っているか考えたことはありますか?データとしてアメリカ、アジア、ヨーロッパ、アフリカ各国の平均が5時間なのに対し、働く時間が世界中で特に長い日本人は、平均7時間座っているとのことです。さらに『40歳~64歳』に限って調べると、平均9時間以上座っていることが調査データで確認されているそうです。驚きのデータです。

海外ではイギリスが2011年に座りすぎのガイドライン(英国身体活動指針)を発表しました。具体的には「就業時間中に少なくとも2時間、理想は4時間座っている時間を減らして、立ったり、歩いたりする低強度の活動にあてるべきである」という内容のものです。またアメリカでは、IT企業を中心に、立ってデスクワークができるスタンディングデスクが導入され、ニュースでも取り上げられているそうです。

では、座りすぎることの危険性は何なのでしょうか? イメージから何となく想像ができるところもありますが、肥満、糖尿病、高血圧症や心筋梗塞、脳梗塞、がんなどの病気を誘発することが報告されています。そのことにより座りすぎは死亡リスクを上げることが明らかになったとのことです。

今回報道されたのは「がんの場合、座っている時間が長いほど罹患リスクが高くなり、特に顕著なのは大腸がんと乳がんで、大腸がんは30%、乳がんは17%も罹患リスクが上がる」という報告でした。そして全体的な死亡リスクは、1日の総座位時間が4時間未満の成人に比べて、8~11時間の人だと15%増、11時間以上だと40%増となり座っている時間が長いほど上がることも報告されています。さらに驚くべきは、このパーセンテージは、WHOが推奨する1日30分以上のウォーキングやランニングなどの運動を週5日実施していても、相殺できないということでした。

座りすぎると身体はどうなるの?

座りすぎで身体にはどのようなことが起こっているのでしょう。なぜ上記のような疾病が発生するのでしょう?座っていることにより『脚の筋活動が行われない』ということが最も重要なことになります。

座姿勢時は下腿(ふくらはぎ)の活動は停止状態に陥っています。要するに下半身に下りた血液を心臓に押し戻すポンプの働きが停止して、全身に酸素や栄養を送る血流が滞ってしまっているわけです。

私が飛行機に乗っていた時も同じことが起こっていて、下腿部の血流が滞っていたことになります。この状態が長ければ、いわゆるドロドロ血と言われる状態になって血栓ができやすくなってしまいます。血栓はがんを含むあらゆる病気に多く見られる血管トラブルに大きく影響しています。血栓が血管に詰まって静脈血栓塞栓症を引き起こせば、即、死に至るケースもあり得るわけです。

さらに人体で最も大きい大腿四頭筋(太ももの筋肉)はエネルギー代謝においてとても大きな役割を担っています。太ももの筋肉が活動停止状態に陥ると、糖の代謝に関わる機能や脂肪を分解する酵素の活性が低下し、肥満や糖尿病になりやすくなるともいわれています。

スタンディングデスク

日本人はとてもよく働きます。そのため座りすぎてしまうことが多いようです。ですが様々なリスクを考慮した場合、注意しなければならないことではないでしょうか? みなさんも1日にどのくらい座っているかを確認してみることは大事だと思います。そしてできるだけ連続した座姿勢をとらない工夫をすることが健康な生活を送るうえで重要な行動になると思います。

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